コンタクトとメガネの重ね付けはOK？注意点や方法を解説

「コンタクトの上からメガネをかけてもいいの？」「実際どうなるの？」と疑問に思っていませんか。

コンタクトとメガネの重ね付けは、特定の状況下で視力を補助し、目の負担を軽減するための有効な手段です。例えば、コンタクトで遠くを見えるようにしているけれど、手元の文字が読みにくい時に弱いメガネ（老眼鏡）を併用するケースがあります。

この記事では、コンタクトとメガネの重ね付けに関する基本的な知識から、具体的な度数の決め方、乱視の場合の対応、さらには運転時の安全性についてまで、詳しく解説します。

また、JINSなどの店舗で重ね付け用のメガネを探す際のポイントや、コンタクトとサングラスの機能的な使い方、意外と見落としがちなUVカット効果についても触れていきます。知恵袋などで見かけるQ&Aの背景にある正しい情報を理解し、コンタクトレンズの処方箋でメガネは作れますか？といった根本的な疑問にもお答えします。

コンタクトの変色や黄ばみの原因、クリアデューのようなケア用品の重要性にも触れながら、あなたの視力に関する悩みを解決するヒントを提供します。

コンタクトとメガネの重ね付け、その基本情報

コンタクトの上からメガネをかけるとどうなる？

コンタクトレンズの上からメガネをかけると、コンタクトレンズが補っている視力をベースとして、メガネでさらに追加の視力補正や機能性を加えることができます。これは、視力の見え方をより細かく調整するためのテクニックの一つです。

例えば、普段使っているコンタクトレンズが遠くを見るための度数に設定されている場合、近くのスマートフォンや本の文字が見えにくくなることがあります。これは特に、年齢とともに手元のピント調節機能が衰える「老眼（老視）」が始まった方によく見られる現象です。

このような状況で、手元を見る時だけ弱い度数の老眼鏡をかけることで、コンタクトを外す手間なく、快適に近距離の視力を確保できるようになります。他にも、パソコン作業時のブルーライトカットや、日差しが強い日の紫外線対策など、特定の目的のために機能性メガネを重ねる使い方も一般的です。

重ね付けの主な目的

• 老眼対策：遠用コンタクト＋近用メガネ（老眼鏡）で手元を見やすくする
• 機能性の追加：ブルーライトカットメガネやサングラスを重ねて目を保護する
• 微調整：コンタクトだけでは補いきれない微細な見え方をメガネで調整する

コンタクトレンズの処方箋でメガネは作れる？

結論から言うと、コンタクトレンズの処方箋を使ってメガネを作ることはできません。逆も同様で、メガネの処方箋でコンタクトレンズを購入することも不可能です。これは、両者で必要となる検査データやレンズの特性が根本的に異なるためです。

主な違いは、目とレンズの間の距離（頂間距離）です。コンタクトレンズは角膜に直接乗せるため、この距離はゼロですが、メガネは目から約12mm離れた位置にレンズがあります。この距離の違いにより、特に近視の度数が強い場合、同じ視力を得るために必要なレンズの度数が変わってきます。

コンタクトレンズとメガネは、それぞれ専門の検査を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。自己判断で同じ度数を使用すると、見え方が不適切であったり、眼精疲労や頭痛の原因になったりする可能性があるため、必ず眼科医や専門店の指示に従ってください。

項目	コンタクトレンズ	メガネ
度数(PWR/D)	必要。メガネと数値が異なる場合がある。	必要。コンタクトと数値が異なる場合がある。
ベースカーブ(BC)	必要。レンズのカーブを示す数値。	不要。
レンズ直径(DIA)	必要。レンズの大きさを示す数値。	不要。
乱視度数(CYL)	必要（乱視用の場合）。	必要（乱視用の場合）。
乱視軸(AXIS)	必要（乱視用の場合）。	必要（乱視用の場合）。
瞳孔間距離(PD)	参考にする場合がある。	必要。左右の黒目の中心間の距離。

このように、コンタクトレンズにはフィット感を決めるBCやDIAといった固有のデータが不可欠です。

コンタクトとメガネの重ね付け、度数の決め方

コンタクトとメガネを重ね付けする場合の度数の決め方は、「どちらを主軸にして、もう一方で何を補うか」という考え方が基本になります。

最も一般的なのは、コンタクトレンズで日常生活の基本となる遠くの視力をしっかり矯正し、メガネで特定の状況に応じた見えにくさを補うパターンです。

具体例：老眼の場合

40代以降で手元が見えにくくなった場合、まずコンタクトレンズはこれまで通り「遠くがよく見える度数」を維持します。その上で、パソコン作業や読書など、手元を見る際に弱いプラス度数のメガネ（老眼鏡やリーディンググラス）を重ねて使用します。こうすることで、遠くも近くもストレスなく見ることが可能になります。

「どのくらいの度数のメガネを重ねれば良いの？」と疑問に思うかもしれません。これは個人の目の状態や、どのくらいの距離のものを快適に見たいかによって変わります。自己判断はせず、眼科医や信頼できる眼鏡店で相談し、実際に試しながら最適な度数を決定することが重要です。

重ねるメガネの度数は、あくまでコンタクトで矯正した後の視力が基準となります。そのため、メガネ店で視力測定を受ける際は、必ずコンタクトレンズを装用した状態で測定してもらいましょう。

コンタクトの上から弱いメガネをかける理由

コンタクトレンズの上からあえて「弱い」メガネをかける主な理由は、特定の距離にあるものへのピント調節を補助するためです。これは、単に視力が悪いから補うというよりも、目の「調節機能」をサポートする目的が強いと言えます。

前述の通り、最も代表的な例が「老眼（老視）」の対策です。
年齢を重ねると、目のピントを合わせる筋肉（毛様体筋）が衰え、水晶体が硬くなることで、近くのものにピントを合わせる力（調節力）が弱まります。遠くがよく見えるコンタtクトをしていると、この調節力の衰えが顕著に感じられ、「手元が見づらい」という症状が現れます。

弱いプラス度数のレンズが入った老眼鏡は、いわば目の調節力を外部からサポートしてくれる道具です。これにより、毛様体筋の過度な緊張を防ぎ、目の疲れ（眼精疲労）を軽減する効果が期待できます。

他にも、パソコン作業が長時間にわたる場合、少し弱めの度数で中間距離を見やすく設定したメガネをかけることで、画面へのピント合わせが楽になり、作業効率の向上や疲労軽減につながるケースもあります。

JINSで探すコンタクトの上からかけるメガネ

JINS（ジンズ）のような価格が明瞭で品揃えが豊富なメガネ店は、コンタクトの上からかけるセカンドメガネを探すのに非常に便利です。特に、以下のような機能性メガネを手軽に試せるのが魅力です。

• JINS SCREEN（ブルーライトカットメガネ）
  度なしのパッケージタイプも多く、コンタクトユーザーがPCやスマホ作業時に目を保護する目的で気軽に導入できます。
• リーディンググラス（老眼鏡）
  様々な度数やデザインの既製老眼鏡が揃っているため、自分の見え方に合った一本を見つけやすいです。
• サングラス・カラーレンズ
  度なしのサングラスや、好きなフレームにカラーレンズを入れて、紫外線や眩しさ対策用のメガネを作ることも可能です。

JINSでメガネを作成する際のポイントは、店員さんに「コンタクトレンズの上から使いたい」という目的をはっきりと伝えることです。そうすることで、使用シーンに合わせた最適な提案を受けやすくなります。

前述の通り、重ね付け用のメガネの度数を決める際は、必ずコンタクトを装用した状態で視力測定をしてもらう必要があります。JINSの店舗では、その旨を伝えればコンタクトをつけたまま測定に対応してくれますので、安心して相談できます。

コンタクトとメガネの重ね付けのQ&A

Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでは、「コンタクトとメガネの重ね付け」に関する質問が頻繁に見られます。これは、多くの人が同様の疑問や悩みを抱えている証拠と言えるでしょう。よくある質問と、それに対する専門的な見地からの回答をまとめました。

よくある質問1：重ね付けをすると、目が悪くなりませんか？

回答：適切に度数を合わせたものであれば、目が悪くなる直接的な原因にはなりません。むしろ、見えにくい状態を我慢して目に負担をかけ続ける方が、眼精疲労などを引き起こし、結果的に不調につながる可能性があります。大切なのは、自己判断せず専門家のもとで正確に視力測定を行うことです。

よくある質問2：遠近両用コンタクトと、どちらが良いですか？

回答：これはライフスタイルや見え方の好みによります。遠近両用コンタクトは1枚で遠くも近くも見えるため便利ですが、見え方に独特のクセがあり、慣れが必要です。一方、重ね付けは遠くの見え方を犠牲にせず、必要な時だけ手元をサポートできるメリットがあります。コスト面でも、単焦点コンタクトと既製の老眼鏡の組み合わせの方が安価な場合があります。

知恵袋の情報は個人の体験談が多く、必ずしも医学的に正しいとは限りません。あくまで参考程度にとどめ、最終的な判断は眼科医や信頼できる眼鏡店の専門家に相談することをおすすめします。

シーン別！コンタクトとメガネの重ね付けの注意点

コンタクトとメガネの重ね付け、乱視の場合は？

乱視がある方がコンタクトとメガネを重ね付けする場合でも、基本的な考え方は同じですが、いくつか注意点があります。乱視は、角膜や水晶体の歪みによって光の焦点が一点に合わず、物が二重に見えたり、ぶれたりする状態です。

まず、乱視の矯正は主軸となるコンタクトレンズで行うのが一般的です。乱視用のコンタクトレンズ（トーリックレンズ）は、特定の方向にレンズが回転しないような工夫がされており、乱視の角度（軸）を正しく合わせることでクリアな視界を得ます。

その上で、老眼対策やブルーライトカットなど、別の目的でメガネを重ねて使用します。

乱視矯正の注意点

乱視は近視や遠視と異なり、「度数」だけでなく「軸（AXIS）」の要素が非常に重要です。乱視用のコンタクトレンズが適切に目に合っていないと、いくらメガネを重ねてもクリアな視界は得られません。重ね付けを検討する前に、まずはコンタクトレンズのフィッティングが完璧か、眼科で定期的に確認することが大前提となります。

もし、乱視用コンタクトを使っても見え方がすっきりしない場合、メガネで乱視を微調整することも理論上は可能ですが、非常に複雑な処方となるため、専門的な知識を持つ眼科医との詳細な相談が不可欠です。

コンタクトとメガネの重ね付けでの運転は安全？

コンタクトとメガネを重ね付けして運転すること自体は、道路交通法の視力基準を満たしていれば問題ありません。ただし、安全が大前提となるため、極めて慎重に行う必要があります。

運転免許の取得・更新に必要な視力は、普通免許の場合「両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上」と定められています。（参照：警視庁ウェブサイト）

重ね付けで運転する際の最も重要なポイントは、遠方の視界が絶対に犠牲にならないようにすることです。基本的には、コンタクトレンズ単体で、遠くの標識や信号がはっきりと見える状態を確保してください。

運転時の重ね付けのリスク

例えば、手元を見やすくするために度数を調整したメガネをかけっぱなしで運転すると、遠くの景色がぼやけてしまい、非常に危険です。カーナビやメーターを確認する時だけ一時的にかける、といった使い方を徹底する必要があります。頻繁なかけ外しは注意散漫の原因にもなるため、運転に集中できる環境を最優先してください。

夜間の運転では、対向車のヘッドライトが眩しく感じることがあります。このような場合、夜間運転に適した特殊なコーティングが施されたメガネを重ねることで、眩しさを軽減し、安全性を高める方法もあります。

コンタクトとサングラスの機能的な使い方

コンタクトユーザーにとって、サングラスとの併用は非常にスマートで機能的な選択肢です。度付きのサングラスを作る必要がないため、デザインやブランドの選択肢が格段に広がるという大きなメリットがあります。

コンタクトレンズで視力はしっかりと矯正されているため、サングラスは純粋に「眩しさの軽減」と「紫外線対策」という機能に特化した、度なしのものを選べば良いわけです。

シーン別の使い方

• 運転中：日中の強い日差しや路面の照り返しを防ぎ、安全な視界を確保します。トンネルに入る際にサッと外せる手軽さも魅力です。
• アウトドア・スポーツ：スキー場での雪面の照り返しや、海辺での強い紫外線から目を守ります。
• ファッションとして：様々なデザインのサングラスを、その日の服装や気分に合わせて楽しむことができます。

度なしのサングラスであれば、友人と貸し借りしたり、急に必要になった際にコンビニや雑貨店で購入したりすることも可能です。コンタクトレンズとの組み合わせは、TPOに合わせて柔軟にアイウェアを使い分けることを可能にしてくれます。

コンタクトのUVカット効果を過信しない

近年、多くのコンタクトレンズに「UVカット機能」が付いていますが、その効果を過信してはいけません。コンタクトレンズだけで紫外線対策が万全だと考えるのは危険です。

その理由は、コンタクトレンズがカバーできる範囲に限界があるためです。UVカット機能付きのコンタクトレンズは、レンズで覆われている角膜（黒目の部分）は紫外線をカットしてくれますが、レンズで覆われていない白目の部分（結膜）やまぶたは無防備なままです。

白目の部分が長期間強い紫外線に晒されると、「翼状片（よくじょうへん）」という、白目の一部が黒目に向かって侵入してくる病気の原因になることがあります。また、紫外線は白内障のリスクを高めることも知られています。

目の健康を長期的に守るためには、コンタクトレンズのUVカット機能に頼るだけでなく、UVカット機能のあるサングラスや、つばの広い帽子を併用することが非常に重要です。特に、日差しの強い季節や、雪山、ビーチなど紫外線が強い環境では、サングラスの着用を強く推奨します。

コンタクトの変色？黄ばみとクリアデュー

コンタクトレンズを使用していると、稀にレンズが変色したり、黄ばんで見えたりすることがあります。これは、レンズに付着した汚れや、使用している目薬の成分、不適切なレンズケアなどが原因で起こる可能性があります。

もしレンズの変色に気づいたら、そのレンズの使用は直ちに中止し、眼科医に相談してください。変色したレンズは、酸素透過性が低下していたり、目のトラブルを引き起こしたりするリスクがあります。

レンズケアの重要性

2Weekやマンスリータイプのコンタクトレンズを使用している場合、日々の正しいレンズケアが不可欠です。レンズに付着したタンパク質や脂質の汚れをしっかりと除去しなければ、レンズの劣化や目の病気の原因となります。

「クリアデュー（cleadew）」は、ポビドンヨードを主成分とし、高い消毒効果を持つコンタクトレンズケア用品の一つです。このような専用のケア用品を正しく使用することで、レンズを清潔に保ち、目の健康を守ることにつながります。
（参照：株式会社オフテクス公式サイト）

ただし、特定のケア用品がレンズの変色を改善するわけではありません。変色はレンズが寿命を迎えているか、何らかの異常が発生しているサインです。日々のケアを徹底し、定期的に新しいレンズに交換することが基本となります。

賢いコンタクトとメガネの重ね付けで快適に