こんにちは。ラグジュアリー・アイウェア、運営者の「カトラー」です。
圧倒的な存在感と色気。ジャックマリーマージュ(Jacques Marie Mage)のアイウェアには、一度見たら忘れられない魔力のような魅力がありますよね。
しかし、購入を検討してインターネットで検索すると、「日本人は似合わない」「鼻が痛くなる」「重くてずり落ちる」といった不安なキーワードを目にして、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか?
正直に申し上げますと、ジャックマリーマージュは「誰にでも無条件で合う魔法の眼鏡」ではありません。しかし、「適切なカスタマイズ」と「正しいモデル選び」さえ行えば、日本人の顔立ちにも驚くほど馴染み、最高の相棒へと変わるのもまた事実です。
この記事では、多くのユーザーが抱える骨格的な悩みを技術的に解消する方法と、あなたにとって一生モノとなる一本に出会うための具体的なヒントを、私の経験を交えて徹底的に深掘りします。
記事のポイントを先読み!
- 日本人が直面する「フィッティングの壁」と、それを完璧に解消する「鼻盛り加工」の全貌
- 失敗しないサイズ選びの黄金比率と、人気モデル「ゼフィリン」の44・47サイズ徹底比較
- 市場に出回る精巧な偽物を見抜くための真贋チェックポイントと安全な購入ルート
ジャックマリーマージュと日本人の骨格的相性とフィッティング

フランスのデザイン美学と、日本の鯖江が誇る最高峰の製造技術が融合したジャックマリーマージュ(以下JMM)。
その彫刻のような美しさに惹かれる一方で、「海外ブランドの極太フレームは、平坦な顔立ちの日本人にはハードルが高いのでは?」と心配される声は後を絶ちません。
結論から言えば、「そのままの状態(吊るし)では合いにくいが、日本の職人技術で完璧にアジャストさせることができる」というのが真実です。ここでは、私たち日本特有の骨格とJMMのグローバル仕様(ワールドフィット)との間にある解剖学的な「ズレ」を明らかにし、それを埋めるための具体的な解決策について解説します。
鼻盛り加工で解消する鼻筋の高さとフィット感の問題

まず理解しておかなければならないのは、JMMの多くのモデルが欧米人の骨格をベースにした仕様で作られているという点です。欧米人は目頭の位置から鼻が高く隆起しているため、海外仕様の「低く、間隔が広い鼻パッド」でも、鼻筋全体でフレームを支えることができます。
一方で、私たち日本人は鼻根(目と目の間の鼻の付け根)が低く、鼻の隆起が瞳孔ラインよりも下から始まることが多いです。そのため、未調整のJMMを掛けると、以下のような「フィッティングの三重苦」が発生しがちです。
未調整の状態で起こりうるトラブル
- ずり落ちる:鼻で支えきれず、時間の経過とともに眼鏡が下がってきて、だらしない印象になる。
- まつ毛が当たる:目とレンズの距離(頂点間距離)が近くなりすぎ、瞬きのたびにレンズ裏面が皮脂で汚れ、視界が悪くなる。
- 頬に当たる:フレームの下部(リム)が頬骨に接触し、笑った拍子に眼鏡が持ち上がり、不快感や化粧崩れの原因になる。
しかし、ここで諦める必要は全くありません。日本の眼鏡専門店には、「鼻盛り加工」という、世界に誇るカスタマイズ技術があります。これは、元々の低いパッドを職人が削り落とし、研磨した上で、日本人の鼻筋に合う高さと角度のあるパッドに付け替える施術です。
【徹底比較】推奨される鼻盛り加工の種類

鼻盛り加工にはいくつか種類がありますが、JMMの美観と機能を損なわないために推奨されるのは以下の2タイプです。
| 加工タイプ | 特徴・メリット | デメリット | おすすめのユーザー |
|---|---|---|---|
| クリアパッド (溶着式) | アセテート素材のパッドを溶剤で溶かして接着する方法。見た目が自然でフレームとの一体感が高い。 | 一度付けると微調整ができない。高さに限界がある。 | 「美観重視」の方 デザインを崩したくない方 |
| メタルアーム (クリングス埋め込み) | パッドを削り、金属製のアームを埋め込む加工。高さ、奥行き、角度を自由自在に調整可能。 | 金属パーツが見えるため、クラシックな外観が若干変わる。 | 「快適性重視」の方 まつ毛が長い方、頬骨が高い方 |
私個人の推奨としては、JMMのようなヴィンテージスタイルを尊重するなら「クリアパッド」が美しいですが、掛け心地を最優先するなら「クリングス(メタルアーム)」が最強です。
特に「Dealan」のような頬に当たりやすいモデルの場合は、クリングス加工で物理的に距離を稼ぐのが正解です。
痛いと感じる原因と顔の幅に合わせたテンプルの調整

「試着した時は良かったけれど、1時間掛けていたらこめかみが割れるように痛くなった」。これはJMMオーナー、特に初めて太セルを購入した方からよく聞く悲鳴です。
この痛みの原因は、頭蓋骨の形状の違いにあります。欧米人は頭が前後に長い「長頭型」が多いのに対し、日本人は横幅が広く前後に短い「短頭型」(ハチが張っている)が多い傾向にあります。
さらに、JMMのアイデンティティである「10mm厚のアセテート生地」は、非常に硬く頑丈です。一般的な薄い眼鏡やチタンフレームのように自然にしなる(たわむ)ことがありません。そのため、幅の調整が不足していると、側頭部を万力で締め付けられるような強い圧迫感が生じてしまうのです。
プロによる「幅出し」と「抱え込み」が必須
これを解消するには、プロのフィッターによる以下の2つの調整が不可欠です。
- 幅出し(はばだし):専用のヒーターでブリッジや智(ヨロイ)部分をじっくりと温め、顔の幅に合わせてフロントカーブを緩やかに広げます。これにより、こめかみへの食い込みを物理的に解除します。
- 抱え込み(かかえこみ):テンプルエンド(耳に掛かる部分)を内側に巻き込むように曲げ、後頭部を包み込む形状を作ります。これにより、眼鏡の重心を後ろに持っていき、フロントの重さを鼻だけでなく頭部全体で支えるように分散させます。
この「抱え込み」が決まれば、レンズ込みで50g近い重量級フレームでも、驚くほど軽く感じるようになります。JMMは「買ってそのまま掛ける」ものではなく、「自分の顔に合わせて完成させる」ものだと考えてください。
鯖江製の品質がもたらす掛け心地と調整のしやすさ

「重くて硬い」と脅すようなことを言いましたが、実はジャックマリーマージュには、極上の掛け心地を実現するためのポテンシャルが秘められています。それが、世界三大眼鏡産地の一つである福井県鯖江市での製造です。
JMMのフレームは、熟練の職人の手によって約300もの工程を経て作られています。特に重要なのが、生地の「寝かせ(シーズニング)」と「手磨き」です。
十分に乾燥・硬化させたアセテート生地は変形しにくく、職人がバフモーターで丁寧に磨き上げることで、角が取れた滑らかな肌触りに仕上がっています。
鯖江の技術力について
鯖江市は、国内産眼鏡フレームの9割以上のシェアを持つ「めがねの聖地」です。チタン加工技術をはじめ、職人の手作業による研磨や組立技術は世界でも最高水準と評価されており、JMMのような複雑なカッティングを持つフレームの製造を支えています。
(出典:福井県鯖江市『Sabae Eyeglasses』)
安価なプラスチックフレームはエッジが鋭利で肌に食い込むことがありますが、JMMは厚みがあっても肌への当たりが非常に「柔らかい」のです。
この素材の良さと加工精度があるからこそ、先ほど述べた大胆なフィッティング調整(幅出しなど)を行ってもフレームが破損しにくく、顔に吸い付くようなフィット感を生み出せるのです。
検索で不安になる「似合わない」を防ぐサイズ選び
ネットで「ジャックマリーマージュ 日本人」と検索すると、「似合わない」「大きすぎる」といったネガティブな予測ワードが出てきて不安になることがありますよね。その失敗の原因の多くは、単純に「サイズ選びのミス」です。
特に重要なのが、黒目の位置(PD:瞳孔間距離)とフレームサイズのバランスです。
一般的に、日本人は欧米人に比べてPDが狭い(目が中心に寄っている)傾向にあります。
それなのに、海外のモデルさんが掛けているような幅の広いビッグサイズのモデルを選んでしまうと、黒目がレンズの内側に寄りすぎてしまい、「寄り目」に見えたり「眼鏡に着られている」感が出てしまうのです。
逆に、顔の幅が広い方が小さなフレームを選ぶと、顔の余白が目立ち、顔が大きく見えてしまいます。デザインの好みだけで選ぶのではなく、「黒目がレンズの中心、または少し内側にくるサイズ」を選ぶことが、日本人がJMMをカッコよく掛けこなすための絶対条件です。
アジアンフィットやクリングス仕様のモデルの有無
「最初から日本人に合うように作られたモデルはないの?」と思いますよね。実は、ごく一部ですが存在します。
例えば、「Jenkins(ジェンキンス)」などの一部のモデルでは、メーカー公式の「Asian Fit(アジアンフィット)」仕様がリリースされていたり、最初から調整可能なメタルアーム(クリングス)が標準装備されているモデルもあります。
これらは鼻盛り加工をする必要がなく、購入してすぐに快適に掛けられるため、入荷すると即完売することも珍しくありません。


ただし、ブランドの顔である「Dealan(ディラン)」や「Zephirin(ゼフィリン)」といった人気のアセテートモデルは、依然としてグローバルフィットが主流です。「基本的にはカスタムが必要だが、たまに親切なモデルもある」くらいに捉えておき、購入予算には最初から「鼻盛り加工代(3,000円〜8,000円程度)」を組み込んでおくことを強くおすすめします。
ジャックマリーマージュの日本人に合うモデル選定と購入ガイド
フィッティングの不安が解消されたところで、次は「どのモデルを選ぶか」という楽しい悩みに移りましょう。数ある名作の中から、特に日本人の顔立ちにマッチしやすいモデルと、失敗しない賢い購入方法について解説します。
定番ゼフィリンの44と47サイズはどちらが良いか比較

JMMを代表する不動のベストセラー「ZEPHIRIN(ゼフィリン)」。
このモデルには主に「44サイズ」と「47サイズ」が存在し、どちらを選ぶかで印象が劇的に変わります。SNSや掲示板でも常に議論になるこの2つのサイズ、どう使い分ければ良いのでしょうか。以下の比較表を参考にしてください。
| サイズ | スペック目安 | 特徴・印象 | こんな日本人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 44サイズ | レンズ幅: 44mm ブリッジ幅: 25mm | 非常にコンパクトでクラシカル。 知的でストイックな雰囲気が出る。 | ・小顔の男性や女性 ・強度近視でレンズの渦を消したい方 ・スーツに合わせてビジネスで使いたい方 |
| 47サイズ | レンズ幅: 47mm ブリッジ幅: 26mm | 現代的なバランスの良さ。 カジュアルでファッショナブル。 | ・平均的な顔の大きさの男性 ・カラーレンズを入れてサングラスにしたい方 ・PD(瞳孔間距離)が66mm以上ある方 |
私個人の見解としては、「眼鏡(クリアレンズ)として使うなら44、サングラス兼用なら47」が黄金ルールかなと思います。
特に44サイズは、欧米人に比べて顔の彫りが浅い日本人の顔立ちに非常にバランスよく収まり、「これが正解だった!」と感じる方が多いですよ。迷ったら、ご自身のワードローブが「ドレス寄り」か「カジュアル寄り」かで決めるのも一つの手です。
難易度が高いディランを日本人が掛けこなすための工夫
ボブ・ディランへのオマージュである「DEALAN(ディラン)」。吊り上がったブローライン(眉部分)が最高にクールですが、実は日本人にとって最難関レベルのモデルでもあります。
その理由は、フロントカーブが浅く(フラット気味)、テンプルが太いため、頬骨が高い日本人が掛けると高確率でフレームの下部が頬に食い込んでしまうからです。笑うたびに眼鏡が持ち上がるのはストレスですし、ファンデーションもヨレてしまいます。
このモデルを攻略する方法はただ一つ、「高めの鼻盛り加工」です。特に調整可能な「クリングス(メタルアーム)」タイプにカスタムすることで、レンズと顔の距離を物理的に確保し、頬への接触を防ぐことができます。「ディランを掛けたいなら、カスタム代もセットで考える」。これが、このじゃじゃ馬モデルを乗りこなす鉄則です。
偽物に注意!購入前に知っておきたい真贋の見分け方

残念なことに、人気ブランドの宿命として「偽物(スーパーコピー)」が市場に出回っています。特にフリマアプリなどで「新品同様」と謳いながら定価の半額以下で出品されているものは、まず疑ってください。
ここをチェック!偽物を見分ける3つのポイント
- シリアルナンバーの整合性
テンプル内側の刻印と、付属のカード(証明書)の手書きナンバーが完全に一致しているか確認してください。偽物は番号がデタラメだったり、カード自体が欠品していることが多いです。 - ヒンジのネジ形状
正規品の多くは、ヒンジのネジ頭が特注の「ドーム状(半球)」に盛り上がっていますが、偽物は平らな(フラットな)汎用ネジが使われているケースが目立ちます。(※一部モデルを除く) - アローヘッドの質感
フロントの矢じり型リベットに注目してください。本物はスターリングシルバーや18Kゴールドを使用しており深みのある輝きですが、偽物は安っぽいメッキでピカピカしすぎていることが多いです。
JMMは「限定生産」であり、基本的にセールを行わないブランドです。「安く買う」ことよりも「本物を手に入れる」ことに価値を置いてください。偽物はアセテートの質が悪く、調整しようとすると折れる可能性があります。
正規取扱店で試着して自分だけの特別な一本を見つける

失敗しないための最良の方法は、やはり実店舗で試着し、プロのアドバイスを受けることです。東京であれば「ボズュー(BeauxYeux)」や「ポンメガネ(Ponmegane)」、「グローブスペックス(GLOBE SPECS)」などが国内最大級の在庫を持っています。
特にポンメガネさんのような技術力のあるショップでは、購入時に鼻盛りの相談もプロの視点で乗ってくれます。「ネット画像で見て一目惚れしたけど、実際に掛けてみたら全然違った」というのは眼鏡選びでは日常茶飯事です。
実際に手に取り、10mm厚のアセテートの質感や心地よい重みを肌で感じる体験も含めて、JMMというブランドの魅力なのだと思います。
ジャックマリーマージュを日本人が愛着を持って育てる未来

ジャックマリーマージュは、買って終わりではありません。骨格の異なる日本人の私たちにとっては、鼻盛りをし、テンプルを調整し、自分の顔の形に合わせて「育てていく」眼鏡です。
最初は「少し重いかな?」「派手かな?」と感じるかもしれません。でも、手間をかけて調整し、自分の顔の一部となったその一本は、他のどの眼鏡よりも愛着の湧く「相棒」になるはずです。シリアルナンバーが刻まれた、世界で数百本しかないあなただけのフレーム。ぜひ、信頼できるお店で運命の一本を見つけてくださいね。









