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こんにちは。ラグジュアリー・アイウェア運営者の「カトラー」です。

「100均 サングラス 目に悪い」というキーワードで検索して、このブログにたどり着いたあなたは、きっとダイソーやセリア、キャンドゥといったショップの店頭で、ずらりと並んだサングラスを手に取りながら、「これ、本当に大丈夫なの?」と足を止めた経験があるのではないでしょうか。

たった110円(税込)で紫外線対策ができるなんて、あまりにも虫が良すぎる話に聞こえますよね。「UVカットなんて嘘ではないか」「安物のレンズで視力が下がったらどうしよう」と不安になるのは、自分の目を大切に思うからこそ至極真っ当な感覚です。

特に、まだ目の機能が発達途中のお子さんに使わせる場合や、一瞬の判断ミスが許されない車の運転中に着用するとなると、その安全性は決して無視できない重大な問題です。この記事では、眼鏡業界の少しディープな裏話も交えつつ、100均サングラスの「どこが優秀で、どこが危険なのか」を徹底的に解剖していきます。

記事のポイントを先読み!

  • 100均サングラスの紫外線カット性能は意外にも高く信頼できる
  • 目に悪いと言われる最大の原因はレンズの歪みによる眼精疲労
  • 運転中や長時間の着用には向かない具体的な理由とリスク
  • 用途に合わせて100均と高級品を使い分けるのが賢い選択

100均サングラスは目に悪いという噂の真実と根拠

「安かろう悪かろう」という言葉は、光学製品においてもある程度当てはまる真理です。しかし、こと「紫外線防御」に関しては、少し事情が異なります。

ここでは、皆さんが最も気にしているUVカット性能の真偽や、医学的・光学的に見て何が具体的に「目に悪い」要因となり得るのか、その構造的な理由を深掘りしていきましょう。

紫外線カット率は99%で嘘ではない

まず、一番の心配事である「紫外線(UV)カット機能」についてですが、結論から申し上げますと、100均サングラスのUVカット性能は非常に優秀であり、表記に嘘はありません。

ダイソーやセリアなどで販売されているファッション用グラスのタグをよく見ると、「紫外線透過率1.0%以下(99%カット)」や「UV400(波長400nmまでの紫外線をカット)」といったJIS規格に基づくしっかりとした表記がされています。

最近ではSNSやYouTube上で、ユーザーが自前のUVチェッカーを使って検証した動画などが多数上がっていますが、その多くでスペック通りの数値を叩き出しています。

なぜ100円で高性能なUVカットができるのか?

「高いコーティング技術が必要なのでは?」と思われがちですが、実は現在のプラスチックレンズ製造においては、UVカットはそれほどコストのかかる技術ではありません。レンズの素材(樹脂)を作る段階で「紫外線吸収剤」を練り込んでしまえば、安価に大量生産しても、素材そのものが紫外線を吸ってくれるのです。

ここがポイント!

表面のコーティングではなく素材そのものの性質なので、多少傷がついたり拭いたりしてもUVカット効果が落ちることはありません。紫外線による急性角膜炎や白内障のリスク低減という点では、100均サングラスでも十分に役割を果たしてくれます。

アクリルレンズの歪みが招く眼精疲労

では、紫外線は防げるのになぜ「100均サングラスは目に悪い」と専門家は口を揃えるのでしょうか。その真犯人は、レンズ越しに見る景色の「光学的歪み(ひずみ)」にあります。

私たちの目と脳は非常に高性能で、入ってくる映像が歪んでいると、無意識のうちにそれを補正して「正しい形」として認識しようとします。この補正作業には、目のピントを合わせる「毛様体筋」や、眼球を動かす「外眼筋」といった筋肉が総動員されます。

歪んだレンズ越しに景色を見るということは、言ってみれば「度の合わないメガネをかけて、無理やりピントを合わせ続けている状態」に近いのです。この状態が長く続くと、以下のような症状が現れます。

  • 目の奥がズーンと重くなる眼精疲労
  • こめかみを締め付けられるような頭痛や肩こり
  • 平衡感覚のズレによる「酔い」や吐き気

これが、「紫外線には悪くないが、目の疲れ(フィジカル面)にとっては最悪」と言われる最大の理由です。

ダイソーやセリアの素材と製造法の限界

この「歪み」は、コストダウンのために選ばれた素材と製造プロセスに起因する、物理的な限界点です。少し専門的な話になりますが、ここを知っておくと納得感が違います。

大量生産の宿命「射出成形」

高級なサングラスレンズは、液状の樹脂をガラス型に流し込み、時間をかけてじっくり固める「キャスティング製法」で作られることが多く、歪みが極めて少ないのが特徴です。一方、100均のレンズは主に「アクリル樹脂」を使用し、溶けたプラスチックを一気に金型に高圧で流し込む「射出成形(インジェクション)」で作られます。

この際、どうしても以下の現象が起きてしまいます。

  1. ウェルドラインの発生:金型内で樹脂の流れが合流する場所に、目には見えない密度のムラができる。
  2. 収縮率の違い:冷えて固まる速度が場所によって違うため、レンズ内部に応力が残る。

結果として、光の屈折が不規則になり、「なんとなく景色が波打って見える」「揺れて見える」という現象が発生します。これは品質管理の問題以前に、製法上の特性なのです。

素材の違いとメンテナンス

100均製品は、フレームには丈夫なポリカーボネートを使っていますが、レンズにはアクリルが使われることが一般的です。アクリルは透明度が高い反面、アルコールに弱いため、除菌シートなどで拭くと「クラック」と呼ばれるヒビ割れが起きることがあるので注意してください。

瞳孔散大による紫外線ダメージの真偽

ネット上でよく見かける都市伝説に、「色の濃いサングラスをかけると暗さで瞳孔が開く(散大する)ため、UVカット機能が低いと、裸眼の状態より多くの紫外線を目の奥に取り込んでしまい危険だ」という説があります。

この理論自体は医学的に正しいものです。しかし、現在の100均サングラス市場においては、この心配はほぼ無用と言ってよいでしょう。

前述の通り、今の100均サングラス(特にダイソーやキャンドゥなどの大手)は、仕様書で「透過率1.0%以下」を保証しているものがほとんどです。

たとえ瞳孔が全開になったとしても、レンズというフィルターが紫外線を99%以上ブロックしているなら、網膜へのダメージは防げます。この説が当てはまるのは、ひと昔前の「単に色をつけただけの雑貨おもちゃ」の場合です。

高級な眼鏡店の商品と何が違うのか

それでは、数千円〜数万円する眼鏡店のサングラスと何が違うのでしょうか。「ブランド料だけでしょ?」と思うかもしれませんが、価格の差は明確に「見え方の質(クリアさ)」「耐久性」に現れます。

比較項目100均サングラス高級・専門店サングラス
レンズ素材アクリル樹脂(歪みが出やすい)CR-39、ガラス、MR材(光学的に均質)
コーティングほぼ無し(一部500円商品でARあり)反射防止、撥水、防汚、ハードコート
視界のクリアさ表面の微細な凹凸で散乱光が発生し、やや白っぽむコントラストが高く、裸眼のように自然
長時間使用疲れやすい疲れにくい

特に大きな違いは「コーティング」です。良いサングラスには「反射防止コート(ARコート)」が施されており、自分の目がレンズの裏に映り込むのを防いでくれます。100均のものはこれが無いため、背後の景色や自分のまつ毛がチラチラと視界に入り、これが地味ながら大きなストレスになります。

ただ、最近ではダイソーから「500円のゲーミンググラス」としてARコート付きの商品も登場しており、100均ショップの進化も見逃せません。

より詳しいレンズ素材の特性については、レンズ素材の違いによる見え方の比較記事でも解説していますので、興味のある方は合わせてご覧ください。

100均サングラスが目に悪いとされる危険な使用場面

紫外線対策としては優秀なポテンシャルを持つ100均サングラスですが、使い方を間違えると「目に悪い」どころか「命に関わる危険」を招くこともあります。ここでは、絶対に避けるべきNGシーンと、その具体的なリスクについて解説します。

運転中のトンネルや夕暮れ時のリスク

車の運転中に100均サングラスを使用する場合は、本当に気をつけてください。特に危険なのがトンネルに入った瞬間と夕暮れ時です。

100均のサングラスは、デザイン性を重視しているためか、可視光線透過率が低い(色が濃すぎて暗い)製品が多く見受けられます。中には透過率10〜15%程度の非常に暗いものもあります。また、紫外線量に応じて色が変化する「調光機能」も当然ついていません。

真夏の炎天下から急に薄暗いトンネルに入った際、濃いサングラスをかけていると視界がブラックアウト(真っ暗)になります。

人間の目は暗順応(暗さに慣れること)に時間がかかるため、数秒間、完全に視覚情報が遮断されることになります。時速60kmで走っていれば、数秒で数十メートル進みます。この間の「見えない恐怖」は、重大な事故に直結します。

運転時の選び方

トンネルや曇りの日でもかけっぱなしにしたい場合は、可視光線透過率が20〜30%以上の明るめのレンズを選ぶか、すぐに跳ね上げられるクリップオンタイプを検討してください。

偏光機能不足による路面反射の危険性

運転時の快適さを左右するのが、路面のアスファルトや対向車のフロントガラスからのギラつきをカットする「偏光機能」です。

100均でも「偏光レンズ」と銘打った商品が販売されていますが、私の実体験として、その性能には個体差が大きいと感じます。安価な偏光フィルムは、熱や経年劣化で歪みやすく、最悪の場合「偏光軸」がズレていることがあります。

軸のズレた偏光レンズを通すと、カーナビの画面が虹色に見えたり、強化ガラス特有の干渉縞(ひずみ模様)が強調されて見えたりして、非常に気が散ります。運転は一瞬の判断が命取りになるため、ドライビングサングラスに関しては、専門店で検品された信頼できる品質のものを選ぶことを強くおすすめします。

運転用に特化した機能をお探しの方は、運転に特化したサングラスの選び方の記事も参考にしてみてください。

子供用サングラスの安全性と選び方

子供の目は大人よりも水晶体が透明で、紫外線を網膜まで通しやすいという特徴があります。そのため、環境省も紫外線対策の重要性を啓発しており、外遊びの際にUVカットサングラスをかけさせること自体は医学的にも非常に有効な手段です。

子供はすぐに物を壊したり失くしたり、公園の砂場に埋めてきたり(笑)するので、110円で買い替えられるダイソーやセリアのサングラスは、親御さんにとって救世主のような存在ですよね。

しかし、ここでも「歪み」の問題は無視できません。視覚機能が発達途中にある子供の脳に、歪んだ映像を長時間送り続けることは推奨できません。読書やゲームなど、一点を集中して凝視するような場面では必ず外させ、「屋外で走り回る時だけ」「海やプールにいる時だけ」といった限定的な使い方をするのがベストです。

子供の目と紫外線に関する公的な見解については、以下の資料も参考になります。
(出典:環境省『紫外線環境保健マニュアル2020』)

短時間のファッション利用なら問題ない

ここまでデメリットやリスクを強調してきましたが、全てのシーンで100均サングラスがダメなわけではありません。「適材適所」こそが重要です。

例えば、以下のようなシーンでは、100均サングラスは最強のコスパアイテムになります。

  • 洗濯物を干す間の5分〜10分
  • 近所のコンビニへ行く時のすっぴん隠し
  • ファッションのアクセント(カチューシャ代わりや胸元にかける)
  • SNS用の写真撮影時
  • 紛失や破損のリスクが高いフェスや海水浴の予備として

このような短時間の使用であれば、レンズの歪みによる眼精疲労も蓄積しにくいですし、何より「手軽に紫外線対策ができる」というメリットの方が上回ります。

結論:100均サングラスは目に悪いのか総括

結論として、「100均サングラス 目に悪い」という問いへの答えは、「紫外線対策という点では優秀だが、光学的な『質』が低いため、長時間の使用は目の疲れを招く」となります。

決して「危険だから絶対に使ってはいけない毒」のようなものではありません。大切なのは、その特性を正しく理解して「使い分け」をすることです。

おすすめのシーン(OK)避けるべきシーン(NG)
短時間の外出、洗濯干し、写真撮影、予備用長時間のドライブ、スポーツ、読書、一日中かけ続ける

メインの一本は眼鏡店で自分の顔にフィットした、歪みのないクリアな視界のものを作る。そして、100均サングラスは「壊れてもいいサブ機」としてバッグや車に常備しておく。このように賢く活用することで、コストを抑えながら、あなたの大切な目を紫外線から守ることができますよ。

※本記事の情報は執筆時点の一般的な目安であり、全ての100円ショップ製品の性能を保証するものではありません。目の健康に不安がある場合や、異常を感じた場合は、直ちに使用を中止し、必ず眼科専門医にご相談ください。

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